2/13(木)~2/14(金)
もちろん、1,000本済。
ところで、2/14は全国的に、そして、居住地も大雪だった。
非常に強く吹雪いていた。正直言って、素振りを避けたい状況だった。
足元だって雪だらけだ。だから、天候を理由に「やれなかった」という
ブログだって良かったはずだ。
でも、やった。
素振り後の足跡(もちろん俺のです)
たしかに、足さばきはできないに等しかった。早素振りの時は何度も滑った。
雪のない日の素振りと比べ運動量は少なかったと言える。
でも、この日の素振りは「精神力が試されている。」と思った。
はっきり言って、外見はみっともない動きだったと思う。強い冷たい風に何度も
やる気を削がれそうだった。でも、やる切ることに意義があると思った。
そして、1,000本。運動量はいつもより少なくても、精神的に成長したと言い聞かせた。
そして、2/16の都道府県対抗剣道優勝大会の予選会に向けて、多少なりとも自信に
つながったと、これまた自分に言い聞かせた。やってやるぜ、と奮い立たせた。
ところがだ・・・
2/15(土)
未明、ソチ五輪で羽生結弦選手の滑りを見るべく待機していたが、
いつの間にか寝ていた(泣×1,000)。
金メダルを取ったと朝5時のニュースで知り(おめでとう!)、見られなかったことの
残念な気持ちと、素晴らしい結果に嬉しくなって、そして、また寝た…。
次目覚めた時は、10時30分を過ぎてた。地元の道場の稽古には間に合わない…。
しかし、そんなことは、今となっては余り重要でなかった。
大雪の為、交通機関がとにかく乱れていた。
ニュースを横目に、2/16の試合に向けて故郷へ向かうべく駅に向かった。
向かおうとしたが、駅までのバスがいつ来るか不明。いや、まずその前に、
歩く足元が雪だらけで、いつもなら1分で着くバス停までが、とても遠く感じた。
本来乗りたい路線のバスは諦め、別路線のバスで、本来乗りたい駅とは
別の駅に向かった。
到着した駅と電車の状況は、意外にも多少の混乱があったに過ぎず、電車も
時刻から数分遅れて到着した。たしかに、その時は吹雪いてはおらず、
周りは比較的落ち着いていたと言ってよかったかもしれない。
さて、問題は東京駅に着いてからだ。
向かいたい方向の新幹線が、その時点、動いてないという。まだ終日運休が
決まったわけではなかったが、再開目途が立っていないという。
改札口付近では、やはり多くの人が掲示板を見ながら、近くの駅係員に
運行状況を尋ねていた。
そのまま待っているだけではと、目的地からは離れるが方角は同じということで、
仙台行きの新幹線に乗った。時刻通りに動いている訳ではなかった。
最初乗った新幹線は確かに仙台行きだったが、指定席だけの新幹線に思えて、
発車直前に降りた(が、その後、その電車でも良かったと思った)。
次に乗り込んだのはMax。空いている。ゆっくり座って行こうと思ったが、
車内放送を聞いてて良かった。どうやら北陸へ向かう新幹線と知った。
危ない危ない。すぐに降りた。
今度こそ仙台行きの電車を確認して、自由席へ。そして、何とか座れた。
窓側。発車当初は席の埋まり具合は50%程度だったと思う。ただ、発車してから
次の駅、次の駅に止まる度、人が乗り込んできて、福島辺りで、その車両自体は
80%程の乗車率になっていたかな。
東京駅出発が、15時過ぎだったか。仙台に到着した17時30分頃はだいぶ薄暗く
なっていた。予定してなかったが、今日は仙台に宿泊することになるのだろうかと
思いながら電車を降りた。
仙台駅に着くと、やはり改札口では切符の精算等で問い合わせをする人々が
多くいた。
俺も、仙台から先の交通手段を尋ねたが、雪の為、「終日運休」とのことだった。
特急料金等の払い戻しの権利を得て、改札外へ出た。みどりの窓口では、
払い戻しだろうか、その為の人々で長蛇の列を作っていた。並ぶ時間が未知数
だった。
ところで、次の日の試合に備えて、襷の持参を失念した。そこで、仙台の近くの
武道具店を携帯で検索し、向かうことにした。携帯では徒歩12分。時刻は18時を
18時30分まで営業しているという。
余裕で到着
予定だったが、ここから「試練」の始まりだった。
仙台駅の外は、すでに暗くなり、そして、吹雪き始めていた。寒い、のは慣れていた
つもりだった。
まず、街の中を歩く際、やはり道の雪に対し、防具、道着、着替え、本などが入った
防具袋を引っ張ることは、とても負担の大きい「運動」だった。吹雪が強まっていく中、
傘も持たず(それはそれで正解だったと思うが)、とにかく歩き続けた。道はぬかるんで
とても歩きにくい。
特に、横断歩道は、俺の前進をあざ笑うかのように、ぬかるむ雪と、乗用車につぶされ、
水と化した「小さな沼」をそこかしこに用意していた。何度も足をとられては、一歩一歩の
進む距離が、実際「一歩」でなく「半歩」に後退してしまう。
そのうち、足の中が水浸しになる。吹雪は益々強くなる。18時20分は過ぎていた。
しかも初めて歩く道とあって何度も携帯で方向を確認した。そんな携帯も、吹雪のせいで
ディスプレイが水滴だらけで画面操作もままならない。
あと何分後で18時30分を迎えようとしていた。武道具店に、間もなく到着する電話を
しようとした。冷たくなった手の操作は、自由が効かない。やっとかけた電話は「話中」。
気持ちを切り替え、武道具店へ歩いた。が、直前の横断歩道が周辺は「大きな沼」。
今更濡れることを厭う気持ちを思い切って抜き払いながら、それでも今度は
雪の「小山」に何度もぬかるみながら、横断歩道を渡った。そして、お店へ到着した。
かけてたメガネは水滴で既に視界を遮っていたが、そのままお店へ入った。
さぞ、怪しい奴に見えただろう。しかし、恰好なんかどうでも良かった。
とにかく、襷を購入するという目的を達成したかった。
閉店直前のお店で襷を、何とか購入した(閉店直前のご対応ありがとうございました)。
ところが、「試練」はまだ終わらない。武道具店へ向かう「試練」の中で、その日、
仙台から次の場所へ移動することは考えられなかった。
今度は、ホテル探しが始まった。
(今日のブログは長い。)
吹雪の中、足が凍り始める中、指が思い通りに動かない中、そして、携帯の電池の
減りが早まる中、ホテルを検索しては電話で直接確認するという作業が始まった。
ずっと立ちつくしながら、武道具店の隣のビル、人の気配が無い入口付近で、
寒さの中、調べが続いた。
何十件に電話しただろうか。全て、すべて「満室」という回答。
一体、仙台には何人の、何を目的とした人たちがいるのだろうか。
問い合わせたホテルの宿泊定員数の合計は、一体、どれ程にのぼるだろう。
(千?万?)
実は、そのうちのあるホテルが「たった今キャンセルが出まして。料金は…。」と、
ネットで見る金額の何倍かの金額を提示してきた。そりゃ、強気の価格になるのは
分かる。妥協もしたかった。が、「次」に希望を持ち、その価格には応じなかった。
が、応じるべきだったのだろう。その後も、次々と「満室」回答だった。結局、30~40分は
探していたが、もう体力の限界、というか集中力の限界、というかどこか投げやりな
気持ちで、駅に向かうことにした。タクシーを使えば楽と分かっていたが、これもまた、
投げやりな気持ちに、へそ曲がりな部分が相乗りして、歩き続けた。
そして、数々のぬかるみや「小さな沼」に出会う度、自嘲し、また、大声で怒鳴りちらしたい
衝動に、何度も駆られた。
そんな中、武道具店へ向かう途中見かけていたラーメン屋が目に付いた。
自嘲して「仙台駅に到着すらできないかもな」なんていう気持ちに対し、頑なに
歩き続けようとする自分がいたが、それらの気持ち全てをひっくるめて無視して、
飯を食うことにした。ラーメン屋へ向かう最後の横断歩道は、もちろん、
「小山」と「小沼」で俺を迎えた。「小山」には苦戦したが、「小沼」は避けて、遠回りして
「普通の」道を見つけ、歩き、ラーメン屋へ入った。
なんと美味かった。関東で普段とんこつラーメンを食べるが、ここのとんこつラーメンは
それはそれは美味しく感じられた。何て言うか、いわゆる本場のとんこつラーメンとは
若干雰囲気が違う(あ、ちなみに、「本場のとんこつラーメン」って言ったけど、博多に
行ったことない…。それアウトだよね。よく、「一蘭」とか、「博多一風堂」「博多天神」とか
に行くんだけど、のことを、ここでは「本場」と言わせて下さい)。
豚骨ラーメン店らしくない。例えば、ニンニクは手の届く所に無くて、無料だけど、
提供を依頼しないといけない、とか。替え玉用の、スープを濃くするタレが無い。
今思うと、野沢菜みたいな辛い菜も無かった。
ところが、ラーメンは美味しかった。そして、店長がとても親切な方だった。接客自体が
なんだけど、ホテルを探すために長居させて欲しいとお願いしたら、快諾の上、
様々な「穴場」ホテルを教えてくれた。
そうしているうちに、今度は別のお客さんも「参戦」した。ホテルが見つからない時は、
ラブホを使えと言うアドバイス。たしかに、こんな吹雪の中、背に腹は代えられない。
いずれにせよ、結局、20時くらいまでホテル探し・電話かけは続き、そして、なんと、
見つかった。1件見つかった。
店長、本当にありがとうございました。そして、ご協力頂いたお客さんも
ありがとうございました。
が、まだ「試練」は続く。
そのホテルまで、携帯検索上「12分」。
が、やはり「小山」と「小沼」がそこかしこで待ち構えている。道幅が狭くなった所に
何度も車が通る。その度に、足を止めては寒さに耐えながら、そして前進する。
今思うと、ドラクエでスライムに遭う、みたいな感じだろうか。そう、「小山」や「小沼」は
スライムみたいなものだ。ゲームを開始したばかりの、レベルの低いプレーヤーが、
必ず出会う、何とか越えられる「敵」。そんな感じのもの。
結局、30分は歩いただろうか。
実は電話で空きを確認した際、料金の低さに驚いていた。さっきの豚骨ラーメンが
5~6杯分と言えばいいだろうか。ちなみに、多くのホテルは20杯分前後が
ほとんどの中(と表現しようか)。
なので、どんなホテルなのか、心配の気持ちよりは、カプセルホテルじゃないのに、
その金額でのホテルに、イメージは「多くのホテル」だった。
が、そりゃ、「多くのホテル」なわけなかった。暗いのではっきりとは言えないが、
入口は、何と言うか、古いアパートの玄関、というか何と言うか。上手い表現は
できないが、金額に相応のホテルと思った。
でも、俺からしたら、あり難いホテルだった。中年の女性お一人で対応していた。
ホテルに到着してもフロントには誰もおらず、少々待ったが、親切にご対応頂いた
(思うに仙台は親切な方ばかりだ)。誠実な方に思えた。
用意された部屋は既にエアコンで暖められていた。助かった。
部屋は古く、窓の戸が若干壊れていたが、何と言うか、俺からすると、
別に問題無い。締まればいい。
一旦、ホテルを出て、近くのドラッグストア、コンビニで飲み物等購入し、
再度ホテルへ。
びしょ濡れのズボン等を脱いで、まず風呂に入った。
防具袋が濡れたのは言うまでもないが、中に入ってた防具が濡れていた。
同じく竹刀袋だけでなく、竹刀も濡れていた。それぞれ乾燥させた。
靴も、借りたドライヤーで乾かした。
そして、部屋で、正座して1,000本素振りした。左右面できる幅も無いので、
上下素振りを200本、残り正面素振りを実施した。
ふと電車の運行状況を携帯で見た。すると、2/16は午前中運休となるとあった。
試しにバス会社に電話で問い合わせたが、目的地へ向かうバス通りは通行禁止に
なっている為、再開の目途が立っていないと言われた。
2/16(日)午前1時、一縷の望みを抱きながら午前5時に目覚ましをセットして就寝した。
2/16
ふと目が覚めたのが、午前4時55分。予定時刻前に自ら目が覚めるとは、とても珍しい。
まずタクシーを呼び、出かける準備をした。午前5時20分頃、ホテルを出て駅に向かった。
ワンメーター(620円)。
まだ暗い街だったが、既に出勤か、何名かの方が駅に歩いて向かう姿があった。
駅に到着。まず、真っ先に目的地への運行状況を聞いた。どうやら、就寝前の情報は
たしからしく、電車が動く気配はない。
午前5時30分、みどりの窓口が開き(早いね)、既に10名以上の方が列を作っていたが、
精算に向かった。俺も後に続いた。
午前6時ちょっと前。何だか腹が減ってきた。しかし、この時間、駅の周りを見ても、
吉野家しかやってない。
わけがない。
そう、仙台と言えば、半田屋。
カレーは、おそらく1.?人前か。蕎麦は1人前。この量で600円弱。素晴らしい。
2013年ゴールデンウィークも利用したことは記載した。それにしても、商品の値段が
安くて24時間営業している店って、意外と小汚さが目立つのに、半田屋は店員の
明るくてイキイキした雰囲気で、食事がおいしく新鮮に見える。その点が、魅力なんだ。
さて、半田屋を後にして、待機が続く。電車が動かないことに対してか、ある客が、
駅の係員に怒鳴っている。詳細は聞いてないから推測だけど、仮に電車が動かない
ことへの不満だとしたら、そんなこと言ってもしょうがないだろうと思う。
係員に言ってどうなることじゃない。自然の前には、誰だって無力なんだと思う。
午前7時。寒い中立ち続けるわけにもいかず、1階のスタバで待機した。
それにしても、きれいな店内だ。それに、スタバの外、1階自体もきれいに思う。
いつ改装したんだろ。って言うか、10年前は1階ってどんなだったっけ。
15~6年前、郵便局を利用したことはあったが…。
午前8時、交通状況は変わらず、むしろ、悪化した状況。外は吹雪は止んで
晴れていたように思うが。
そして、午前8時30分頃、試合参加を断念する。棄権の旨、試合関係者に伝えた。
「こんなことってあるんだ。」試合を棄権することなど、今まで(実質)無かった。
棄権する方々は、例えば警察官の選手が棄権する様子を、「仕事の関係かな。」とか
思っていた。でも、棄権の背景には仕事以外の要因も存在することを、初めて痛感した。
「天候」なんて、どこか他人事で、それが与える影響に対して、十分に考えたことなんて
無かった。でも、もう無視できないなと思う。
さて、初めての試合棄権という状況に対して、とても悔しいと思った。ここまで準備して
来たのにとか、1,000本素振りの成果を試したかったとか、地元の選手にどこまで通用
するだろうとか、都道府県対抗に関連する試合に出られることへの期待とか、参加
できるように対応して頂いた事務局の方のご尽力に対して為す術無かったこととか、
半日以上かけて移動して、様々な「試練」を乗り越えたのに、結局、一番の目的を
果たせなかったこととか…、悔やむ気持ちがとても大きい。何しに来たのか。お金も
かかった。
しかし、見方を変えてみると、多くの方にお世話になったことに感謝の日々であり、
感謝の時間を過ごさせて頂いたということ。
そして、気づきとして、「試合には出たくても出られないこともある」という、これまで
当たり前だと思っていたことが、当たり前でない現実もあるのだということがる。
だからこそ、1試合1試合、参加出来たら無駄にしてはいけない。
他には、遠い移動となるならば、天候を気にするとか、もっと事前に移動を
開始すべきだったとか(今回の雪で言えば、早く移動開始しても結果は変わって
なかったかもしれないが)、考えたりする。妥当か検討の余地があるが。
話は変わるが、武道具の日で当選した商品券を活用して最近買った防具袋。
今回の試合で初使用。だったのですが、結局、雪の仙台で「試練」を共にした仲と
なってしまいました。一緒に強くなろうね。
ちなみに、Fencerというブランド名。俺としては、使い易い防具袋です。軽いし。
午前9時20分頃、仙台を出て帰りました。
けなも